作・井上ひさし 演出・鵜山 仁
出演
土居裕子 熊谷真実 伊勢佳世 北川理恵 吉沢梨絵
◆あらすじ◆
1942年3月、カリフォルニア州マンザナ強制収容所。
砂漠の真ん中のバラックの一室に集められた五人の女性たち。
ジャーナリスト、
浪曲師、
舞台奇術師、
歌手、
映画女優―――。
収容所長から彼女らに下された命令は
「マンザナは決して強制収容所ではなく、
集まった日系人たちの自治によつて運営されるひとつの町なのだ」という内容の
朗読劇『マンザナ、わが町』の上演。
日系人として受けた差別的な境遇を語り合い、
自分の中の日本人らしさとアメリカ人らしさが明らかになるなかで、
アメリカ建国の理念とは反している
収容所を美化した
台本の内容をめぐって激しく対立する五人。
果たして『マンザナ、わが町』は上演されるのか。
■5人の女優、競演。
強制収容所に連れてこられた5人の女性たち。
知的でリーダー格のジャーナリスト、ソフィア岡崎
日本への想いが人一倍強い浪曲師オトメ天津。
物語の鍵を握るサチコ斎藤。
アメリカでの成功を夢見続けているホテル歌手リリアン竹内。
撮影現場で悔しい体験を重ねてきた映画女優ジョイス立花。
女性三人が集まれば、「姦しい」といわれるところ、一つ部屋に5人集まったらそのにぎやかさときたら格別です。会話の妙、笑いと見事な歌、浪曲・・・。観るものはぐいぐいとひきつけられ、登場人物たちと一緒に差別に立ち向かつていくことになるでしょう。
年代もキャリアも異なる女優の方々の出会いは、そのままマンザナの5人の女性たちの出会いに重なり、物語をくっきりと描き出します。
■戦時補償・戦後処理のあり方を問う。
1988年、アメリカで「戦時補償法」が成立しました。当時のレーガン大統領が戦時中に行った強制収容に対して、正式に謝罪を行い、米国政府が一人あたり2万ドルの保証金と教育資金12億5千万ドルを支払うことを決めたのです。自らが自らの非を認め、償いを申し出たことでアメリカはむしろ周囲から理解と尊敬をさえ得たと言えるでしょう。その経緯には多くの日系米国人の名誉回復運動の高まりがあったとしても。
対して我が国はどうでしょうか。
2015年、安倍晋三総理大臣は戦後70年談話として、「日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えている。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない。」と語りました。土足で踏み込んだ国々に対して正式な謝罪をしないまま幕引きをしようとしている日本とまじめにつきあってくれる国はあるのでしようか。
この物語は、戦後の日本のあり方についての問いかけでもあります。
10月7日(日) |
10月8日(月) |
10月9日(火) |
10月10日(水) |
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昼 |
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13:00 |
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13:00 |
夜 |
17:00 |
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18:30 |
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会場 |
安佐南区民文化センター |
アステールプラザ(大) |
希望日締め切り8月24日(金) 座席シール発行9月14日(金)
写真は2015年舞台より、配役が変更になっています。
後援:広島市・広島市教育委員会