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作:ケン・ラドウィッグ 演出:鵜山仁
翻訳:小田島恒志 小田島則子
1963年イギリス。
スコットランドのクリスティの元へ、ロンドンから婚約者のグロリアがやって来た。
この若い二人とは対照的に、クリスティの親代わりのジョン(加藤健一)とグロリアの叔母のモード(阿知波悟美)は犬猿の仲で、顔を合わせる度に衝突ばかり。
ところがある日、子供ができない若い夫婦の代わりに、ジョンとモードが二人きりで遠くサンフランシスコまで生後2週間の養子を引き取りに行く事になってしまう―――。
出演:加藤健一 阿知波悟美 加藤忍 粟野史浩 加藤義宗 高畑こと美
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6月14日(火) |
6月15日(水) |
6月16日(木) |
6月17日(金) |
昼 |
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13:00 |
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13:00 |
夜 |
18:30 |
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18:30 |
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会場 |
アステールプラザ |
安佐南区民文化センター |
希望日締切 4月28日(木) 座席シール発行 5月24日(火)
Babyについて
彼女を取り巻く、それぞれなにがしか心に傷を抱いた大人たちが、ただ生きていることの魅力に改めて気づき、励まされ…Babyの役割はそこで終わりを告げる。
この芝居は一面から見ると、大人たちの無責任狂想曲に過ぎないのだが、養育の義務みたいな観念をいっさい棚に上げて、Babyとその周囲の世界を俯瞰しているところが面白い。
Babyはさながら王、ジョーカー、そしておそらくは神。彼女は年得の特権、自由と無防備とを振りかざして専制君主ぶりを発揮する。そしてこんな君主に仕えるということが、何故か臣下の喜びであったりもする。その意味でやはり彼女は我々の愛情というか、生きる欲望の見事な反映なのだ。(「Babyについて」(鵜山仁)より抜粋)
Be My Baby
ニューヨーク出身の女性歌手グループ、ザ・ロネッツの代表曲。1963年フィレスレコードから、彼女達の最初のシングルとしてリリースされると…大ヒットとなった。
…当時の日本でも「あたしのベビー」の邦題で「ベスト・ヒット・パレード」(ニッポン放送)で3位、「今週のベスト10」(TBS)で7位と、かなりのヒットを記録した。その後すぐに、弘田三枝子や伊東ゆかりらが、次々に日本語でカバー曲を発表。(劇団パンフレットより抜粋)
1963年
1963年は高度経済成長期の真っ只中で、“三種の神器”と呼ばれる「テレビ(白黒)・電気冷蔵庫・電気洗濯機(二槽式)」が一般家庭に急速に普及していった頃である。特に、翌年の東京オリンピック開催が、白黒テレビの普及率を大きく押し上げる要因となった。また、この年に初めての日米間テレビ宇宙中継の実験放送が行われ、奇しくもケネディ大統領暗殺の現場が映し出される事になってしまった。
劇中にも登場するように、イギリスでもテレビの普及率がどんどん上がってきた時期である。スコットランドにいるクリスティとグロリアが“アメリカの新しいテレビ番組”と言っている「THE RUCY SHOW」(1962~1963)は、アメリカの名コメディエンヌ、ルシル・ボ―ル主演の抱腹絶倒傑作コメディである。観客の笑い声が入るシットコムの代名詞とも言える作品で、アメリカのCBSネットワ―クで放送されて大ヒットし、1963年にイギリスでも放送された。日本でも1963~1966年に「ザ・ルーシー・ショー」のタイトルでTBSが放送し、31%という視聴率を記録し、大ヒットした。(劇団パンフレットより抜粋)
ロバート・バーンズ
劇中で、ジョンが“一番好きな詩人”と言い、その詩を何度も口ずさむ
スコットランドの民族の誇りと言われているロバート・バーンズは、スコットランド文化の象徴的存在である。今日でもスコットランド人が単に「吟遊詩人(The Bard)」といえば、バーンズの事を指すくらい、彼らの生活の中に溶け込んでいる。バーンズの誕生日には、世界中のスコットランド人が、バーンズ・ナイト(バーンズ・サパー)と呼ばれる夕食会を行う。バグパイプの音楽に乗せて運ばれてきた伝統料理のハギス(腸詰の一種)を前に、パーンズの「ハギスに捧げる詩」を暗唱し、ハギスにナイフを入れるという儀式の後、バーンズの詩を朗読し、歌を歌い、バーンズの話に花を咲かせる。最後は全員で手をつなぎ、Auld Lang Syneを歌う。この日は建国記念日に準じた扱いを受けている。(劇団パンフレットより抜粋)
『礼儀』のイングランドと
『伝統』のスコットランド
モードとグロリアが住んでいるロンドンは、イングランド及びイギリスの首都で、いわずと知れた大都会である。一方、ジョンとクリスティが住んでいるアバディーンは、北海油田の発見後「ヨ―ロッパの石油の首都」と呼ばれるスコットランド第3の都市となったが、「Be My Baby」の舞台となっている1963年当時はまだ漁業が主体の田舎町であった。
イングランド人は、「礼儀」を重んじとても真面目で、いわゆる“英国紳士”のイメ―ジである。少しシャイで最初は取っ付きにくく感じるが、皮肉を込めたジョークが大好きな人達である。スコットランド人は、イギリスの中で最も「伝統」を重んじる人達で、性格は頑固で明るく、物をとても大切にしている(悪く言うとケチ)。(劇団パンフレットより抜粋)
後援:広島市・広島市教育委員会