作/井上ひさし 演出/鵜山仁
兄と弟、兄は東京帝国大学を首席で卒業。
弟も首席で卒業。
兄は民本学者になり下から、弟は官僚になり上から改革を。
井上ひさし得意のドラマwithミュージック。
あの大戦争のあとの30代後半から上の世代の日本人の記憶にまだ鮮明だったのは、東京帝大教授吉野作造の説く「政治は国民を基(もと)とする」という民本(みんぽん)主義だったにちがいない。いまの憲法は、そのころの日本人が過去の記憶をよびさまして掴み取ったもの。 井上ひさし
大正期に、「民本主義」を唱えて我が国の民主主義の礎となった偉大な政治学者、東大教授の吉野作造の生涯を、唄と踊りをふんだんに盛り込んで楽しく繰りひろげる、井上ひさしならではの音楽評伝劇です。
吉野作造(辻萬長)の実弟信次(大鷹明良)は兄とは正反対の道を歩み農商務省の官僚からついには商工省の大臣にまでのぼりつめた人物。この作造、信次の兄弟は、それぞれ玉乃(剣幸)、君代(高橋紀恵)という姉妹と結婚した。つまり二組の兄弟姉妹が、二組の夫婦になったのである。この四人を軸に、ときに右翼の男(小嶋尚樹)が作造の暗殺をはかり、またときに説教強盗の女(宮本裕子)が信次を縛り上げ説教をする……。こうして各場で上を下への騒動が巻き起こります。
●アステールプラザ大ホール
8月4日(月) 18:30
8月5日(火) 13:00
●安佐南区民文化センター
8月7日(木) 18:30
8月8日(金) 13:00
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめにかくこと」
(井上ひさし ゆれる自戒の一部)
これを主義としていた井上ひさしが、今の時代に「なぜ?」と立ち止まり問いかけ続けることの大切さを織り込んだ作品、待望の四度目の上演です。
上演時間 2時間50分(休憩15分含む)
鑑賞希望日締切 6月30日(月) 座席シール発行 7月17日(木)
後援:広島市・広島市教育委員会
余聞余録 2014-8-⑤(8/3)
吉野作造と日本国憲法
吉野が晩年心血を注いだ明治文化研究は、それまで未開拓だった日本近代史研究の道を開いた。 <中略>吉野の資料の扱い方と研究方法は、憲法史家・鈴木安蔵(1904〜1983)に受け継がれた。
<中略>
敗戦後 憲法改正問題が浮上するなか 鈴木は統計学者高野岩三郎(1871~1949)らとともに憲法研究会を結成 鈴木が中心となり改正案起草作業が進められた。完成した「憲法草案要綱」は国民主権や法の下の平等などを取り人れた極めて民主的な内容であった。GHQはこの案を、最も自由主義的だと評価し、自らの改正案起草の参考とした。吉野の思想や活動は鈴木安蔵に受け継がれ、日本国憲法に生かされた。
(「吉野作造記念館だより」2007.4.1より)